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Gプレスインタビュー

2011.July | vol.97

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『ポスト地デジ』のテレビ。

2011年7月6日 電通ホールでの講演より

2011年7月24日。アナログ放送が終了(岩手、宮城、福島の東北3県は2012年3月31日までに終了)し、地上デジタル放送へ完全移行しました。
1960年代に白黒テレビが普及して以来、テレビは国民の生活が豊かになることを体現できる夢のマシンでした。しかし、21世紀を迎え、携帯電話やインターネットの発達、そして、ここ数年のスマートフォンやソーシャルメディアなどの新たなコンテンツ普及によって、テレビの価値を再考する時期が訪れています。地デジ化後のテレビでは、そういった新しいコンテンツとの連動がますます進んでいくのではないでしょうか。
日本テレビ史に残る歴史的な一日を迎えた後、テレビはどのように変化し、新しい価値を視聴者に提供できるのか。テレビ事情に詳しい5人の方々の講演をリポートしました。
(2011年7月6日 電通ホールでの講演より)

「スマートテレビ」が生み出す相乗効果。

KDDI株式会社
メディア・CATV推進本部
メディアビジネス部
映像サービスグループリーダー
家中 仁 さん

いえなか・ひとし
1993年入社。2011年4月より現職。携帯電話からFTTH・CATVに至るKDDIグループの映像サービス企画・戦略立案を担当。

私たちはCATV事業者の方々とのアライアンスを強化し、世帯へのアプローチに取り組んでいます。そのツールの一つとして、Android OSをベースにしたSet Top Box(STB)の開発を検討し、テレビの「スマートテレビ化」を推奨していきたいと考えています。
また、このSTBには、映像視聴だけでなく音楽やゲーム、それ以外にも、CATVの地域密着力を活かした各種のアプリケーションの提供をしていきたいと思っています。このようなアプリケーションを搭載すると「テレビ視聴が減るのでは?」と懸念される方もいるかもしれません。
携帯電話にワンセグが搭載されたとき、携帯でのインターネット利用が減るのではないかという声がありました。しかし結果的には、ワンセグ搭載により携帯に向き合う時間が増え、利用も増えるという、良い相乗効果を生みました。それと同じように、スマートテレビの普及は、テレビを見る時間、接触する機会を増やすという、良い相乗効果を生む可能性があります。 スマートフォンやタブレット端末が普及することで、コンテンツのマルチユース化が進み、いつでもどこでも映像視聴ができる環境が整ってくるのではないかと考えています。

インターネット上の「番宣映像」が、リアルタイム視聴につながる。

株式会社GyaO
代表取締役社長
川邊 健太郎 さん

かわべ・けんたろう
2000年ヤフー株式会社入社、「Yahoo!モバイル」担当プロデューサー就任。
その後、「Yahoo!ニュース」などのメディア企画部責任者を兼任し、2009年5月より現職。


株式会社電通
プラットフォーム・ビジネス局
開発室 開発1部 
丸山 裕史 さん

まるやま・ひろし
シンクタンク勤務を経て2005年、株式会社電通に入社。
以来、主にメディア・リサーチの領域に従事。2011年4月より現職。

かつてよく「インターネット上にテレビのコンテンツを流すと、視聴率が下がるのでは?」といわれていました。果たして本当にそうなのか、GyaOと電通は共同で調査、検証を行いました。
調査は約2週間、GyaO!のサイト上にキー局の新ドラマとバラエティ番組のダイジェスト番組(5~6分の長尺映像)と、スポットCMに近いような15秒、30秒の映像を流し、実際のサービスを使用して計測しました。
結果として、GyaO!での番宣映像をすることは、テレビでのリアルタイム視聴に大きな効果があり、特に、普段テレビの視聴習慣が薄い「テレビライト層」や、男女関係なく「Teen(10~19才)」と「MF1層(20~34才)」に対して効果がありました。また、ドラマはストーリー訴求が重要視され、バラエティは存在を認知させることそのものが、リアルタイム視聴に繋がる大事な要素になっています。
インターネット上における番宣映像視聴には高いプロモーション効果があり、テレビのリアルタイム視聴に繋がっていきます。さらなるプラス効果を生むためにも、放送局の皆さまには、デジタルメディアを番宣や広報活動の場として、ご活用していただければと考えております。

〝スマホでソーシャルな人"をテレビ番組に振り向かせるために

株式会社電通
コミュニケーション・デザイン・センター
次世代コミュニケーション開発部
プロデューサー
川村 佳央 さん

かわむら・よしひろ
デジタル系広告会社を経て、2011年 株式会社電通に入社。主に、スマートデバイスやソーシャルメディアなどの新領域におけるサービス開発・事業開発・コミュニケーション開発に従事。

ソーシャルメディアのコアなユーザーは、常に「ネタを求め、ネタを消費する文化がある」と感じます。
Twitterやfacebookにあるニュースや事象が話題として持ち込まれ、それをネタにして語り合う。そうして得られる連帯感が、ソーシャルメディア特有の居心地の良さを生んでいます。
私たちは、ソーシャルメディアという「場所」に、常に手元に携えているスマートフォンのデバイス特性を加えて上手く刺激することで、テレビのリアルタイム視聴を促すことができるのではないかと考えています。
現在取り組んでいる「ソーシャルメディアmeets電子番組ガイド」という研究では、電子番組ガイドの中に、コンテンツに対してチェックイン行動をする―「僕はこの番組を見ています」という行動を喚起させるプラットフォームがあると面白いのではないかと考えています。チェックインすることで、Twitter、facebookなどの各ソーシャルメディアとも連携し、そのフォロアーや友達に視聴行動をシェアすることができます。さらにチェックインをすることでポイントが貰えるなど、テレビを見るという行動自体をエンターテインメント性のあるものに変容させていくことも、テレビ視聴を促すことに繋がるのではないでしょうか。

電通独自調査で見るスマホとソーシャルメディアの浸透と実態

株式会社電通
コミュニケーション・デザイン・センター
次世代コミュニケーション開発部
プロデューサー
森 直樹 さん

もり・なおき
ソーシャルメディア・スマートデバイス・AR領域でマーケティング&事業開発に従事。
JAA WEB広告研究会幹事(モバイル委員長)。

Facebookやmixiなどのソーシャルネットワークユーザの4割は「いいね!」ボタンを押しています。これらのソーシャルメディアを有効に活用するには、とにかく「いいね!」をさせる魅力的なコンテンツをつくることが重要です。
例えばFacebookユーザの友達の数は平均100人以上いると言われています。1人が「いいね!」すると、それが100人のインプレッションに広がります。そのうちまた1人「いいね!」すると、さらに100人へと繋がっていきます。
では、ソーシャルメディアユーザとTVの関係はどうかというと、2割がソーシャルメディアをきっかけに番組を知る機会が増え、1割の人がソーシャルメディアをきっかけにテレビのスイッチを入れた経験があるということがわかりました。 例えばTwitterユーザの31%がソーシャルメディアをきっかけに番組を認知し、18%がテレビを見た経験がある、という結果もでています。つまり、テレビ視聴をソーシャルでシェアする仕組みを「いいね!」で拡散させることによって、番組認知と視聴のきっかけになるのではないかと考えています。

気になるテレビ語 groovy word on TV

『柏木由紀』


その数字は「たかが」なのか「されど」なのか。
今や彼女たちの姿を見ない日はないと言えるほど、国民的アイドルグループに成長したAKB48。
そんな彼女たちの「数字」をめぐる戦い『AKB48 22ndシングル選抜総選挙』が今年も開催されました。前田敦子が1位に返り咲くか?大島優子の2連覇か?注目の中、139,829票を獲得した前田が1位に返り咲きました(大島は122,843票で2位)。
そんな中、74,252票を獲得し、前回の8位から3位に躍進したのが『柏木由紀』です。
AKB48チームBのキャプテンを務め、また『フレンチ・キス』のメンバーとして、さらに『ひるおび!』(TBS系列 月~金 11:00~)では、お天気お姉さん(月・火担当)としても活動しています。7月からはドラマ『花ざかりの君たちへ?イケメン☆パラダイス?2011』(フジテレビ系列 毎週日曜 21:00~)に前田と共に出演しています。
6月の検索数は8,309で、最も多い11,306(2011年1月)越えはなりませんでした。ちなみに前田と大島の6月の検索数は53,035と30,729となっており、総選挙、検索数共に、前田&大島の2人とまだまだ大きな差があります。しかし、握手会でファンを大事にするホスピタリティー溢れる姿勢が、総選挙での躍進の要因と言われている『柏木由紀』。その誠実さが数字に表れ、前田&大島を超える日がくるのか、今後の活躍に注目です。


『Gガイドモバイル』ユーザ検索ログデータより 集計期間:2011/6/1-6/30

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