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Gプレスインタビュー

2009.December | vol.78

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「ランキング」というブレない軸。
オリコンがオンラインでも成功している理由とは。

オリコンDD株式会社 代表取締役社長
兼 オリコン株式会社 取締役

米谷 昭良さん

1975年1月28日生まれ。東京都出身。明治大学政治経済学部卒業。2001年オリコン入社、広告営業、新規事業室を経て2003年よりWEBサイト「ORICON STYLE」の事業化に取り組む。同サイト編集長、営業部長兼任の後、2007年1月オリコンDD代表取締役社長、2008年6月オリコン株式会社取締役に就任。

長年、オフラインでのコンテンツ事業を営んできた企業にとって、オンラインメディアへの進出の糸口をなかなか見出せないケースも多い。そんななか、ある意味「例外的」といえるほどそれを上手く進めてきた会社が、オリコン社である。設立は1967年。「ランキング」を軸に、芸能誌の雄として一世を風靡した紙メディアを築いた当社は、いま、「ORICON STYLE」というwebサイトでも成功を収めている。当社は、どうやって成功モデルを築いたのか。「ORICON STYLE」の立ち上げから関わってきた、オリコンDD株式会社代表取締役社長、米谷昭良さんに、お話をうかがってみました。

―紙メディアが苦境を強いられる中、御社はデジタル化の波にも対応し「ORICON STYLE」を軌道に乗せていますよね。成功のカギはどこにあったのでしょう。

正直、カギはないですね(笑)。いま何とかうまくいっているのも、ある意味、結果論といえます。「ORICON STYLE」を立ち上げたのは1997年。2004年のリニューアルを経て現在に至るまで、苦難の連続でした。特に立ち上げ当時は、収支はもとより、コンテンツそのものがwebサイトに掲載できませんでしたから。アーティストの写真はおろか、取材記事でさえも「webサイトはNG」という時代でした。その頃と較べると、今はwebをとり巻く環境自体がかなりよくなりました。

―元々、御社は紙メディアにおいて、アーティストやタレントと強い信頼関係を築いていたわけですよね。紙メディアでやってきたことを、そのままwebサイトで…というわけにはいかなかったのですか?

うまくいきませんでした。私たちは創業以来、紙メディアの世界で築いてきたものが大きかったので、当然「ORICON STYLE」を立ち上げたときもそこに依存しようとしました。しかし、当時はまずアーティスト側にwebに対するそこはかとない不信感のようなものがあり、敬遠されました。「紙ならOKだけど、webも一緒なら取材NG」と言われることも多かったため、どうしてもwebは紙と決別せざるを得なかったのです。いま思えば、それがかえって功を奏したのかもしれません。

―「従来の紙メディアとの融合、連携」ではなく、「webはwebで独自のコンテンツを」という方向を選んだのが、今の「ORICON STYLE」を築いたということでしょうか?

そうかもしれません。完全に別メディアとして切り分けて考え、収益化をはかってきましたから。ただ、私たち「オリコン」は、「ランキング」を通じてアーティストのブランディングに寄与する、という仕事をずっとやってきた会社です。そのことは、メディアがオンラインであれオフラインであれ、変わりません。その軸からブレない範囲で、オンラインはオンラインなりのことをやれば良いわけです。
そう考えるようになった大きなきっかけは、2005年に発売されたケツメイシの「さくら」という曲でした。アーティスト側に、何か今までにない変わった手法のプロモーションをしたいという意向があり、プロモーションムービーを、新曲リリース前の1週間、「ORICON STYLE」独占で丸々1曲、フルで流したのです。業界の常識として、「リリース前に」「フルで」しかも「webで」流すなんて、とても信じられないことでした。結果、1週間のストリーミング数は300万を超え、曲も大ヒットしました。この出来事によって、webサイトがアーティストの宣伝メディアとして、業界から高い注目を浴びるようになりました。

―IPGも関係しているCX系ドラマ「リアル・クローズ」の記者会見の様子も、「ORICON STYLE」で記事にしていただきました。テレビとwebニュースの関係については、どのようにお考えですか?

テレビ番組コンテンツは質が高く、そしてやはり、テレビは非常に強いメディアだと思っています。テレビで取り上げられると、ネットでの検索数は一気にはね上がりますよね。アーティスト同様、テレビ業界も、長い間webへの掲載やリリースに消極的でしたが、この1~2年で状況は急激に変化しました。テレビの番宣メディアとしてのwebの価値は、これから益々高くなっていくでしょう。その時、ひとつ大切なのは、webは既存のテレビ番組のダイジェストをコピーして宣伝するだけのメディアであってはならない、ということです。「ORICON STYLE」では現在、ニュース編集部に16名を配置しており、記者会見や記者発表に参加し、取材し、自分で書いたwebニュースを配信しています。「オリコン」らしい、オリジナル色のあるコンテンツを、これからもどんどん発信していきたいと思っています。

―本日はお忙しいところ、興味深いお話をありがとうございました。

オリコンCSアワード2010

12月1日、東京・六本木の岩崎小彌太ホール(国際文化会館)にて「オリコンCS(顧客満足度)ランキングアワード2010」が開催されました。
「オリコンCSランキング」は、オリコンDD株式会社が、実際のサービス利用経験者の声を集めた「顧客によるサービス利用満足度」に基づいたランキングです。業界のシェアとは関係なく、利用者が本当に評価する「いいサービスが見える仕組み」として、各企業からも注目されています。表彰式では、プレゼンターとしてタレントの黒田知永子さんが登場し、三井ダイレクト損害保険株式会社(医療保険会社部門)、株式会社ケイ・オプティコム(プロバイダ部門)など計20ジャンルの1位企業がトロフィーを授与されました。また、表彰式の前には、「オリコンCSランキング調査の高度化」と題した、2009年調査の特徴や分析結果、CSと経営の相関性についてのトークセッションが行われました。

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