株式会社 IPG

ipg

IPGのサービス、Gガイド、Gガイドモバイル、シンジケーティッドGガイド、Gガイド for Wii、G-Guide for windows

Gプレスインタビュー

2009.August | vol.74

印刷用ファイル
vol74photo

インターネット映像配信ビジネスのこれから。

株式会社GyaO 代表取締役社長
兼 ヤフー株式会社 メディア事業統括本部メディア企画部長

川邊健太郎さん

ヤフー株式会社が株式会社GyaOを買収し、動画コンテンツサイトは、再編成の時代に入ったといえる。 YouTubeやニコニコ動画のように、投稿という形でユーザーがパブリッシャーとしての主導権をとるサイトと、GyaOやYahoo!動画のように、プロバイダーがパブリッシャーとしての主導権をとり権利関係をクリアにしたコンテンツだけを流すサイトと、大きく二分される。この二つは、ユーザーが享受するサービスでは類似しているが、ビジネスモデルは根本的に異なる。動画配信ビジネスの今後の展望について、株式会社GyaOの代表取締役社長に就任された川邊健太郎さんの話をリポートしました。

―新生GyaOが、目指すもの。

投稿型サイトをはじめとし、今見られている動画配信映像の多くは、違法コンテンツと考えられます。それは、純粋に考えて「いいこと」のはずがありません。違法コンテンツに対して、あえて合法コンテンツという言葉を用いるとすれば、GyaOは合法コンテンツを無料ネット配信してきた会社です。その会社が、様々な理由により、結果、経営的に厳しい状況に直面せざるをえなくなったわけですが、では「ネットで配信される動画は、やっぱり違法コンテンツしかない」ということにはならないし、なってはいけないことです。そこで、合法コンテンツ(映像)を、ネット上で配信される動画コンテンツのスタンダードにしていこうと。Yahoo!と一緒に、新生GyaOが 目指すものは、大きくいえばそういうことです。

―合法コンテンツ配信がビジネスとしてうまくいかなかった原因はどこにあったのか。それを新生GyaOは、どうリカバリーしていこうと考えているのか。

ひと言で申し上げれば、「広告主様、権利元様、パートナー様との協業システムがきちんとできていなかった」ことにあると思っています。ですから、私たち新生GyaOの使命は、「広告主様、権利元様、パートナー様との協業を通じて、映像の力でネット社会に新たな価値を創造すること」だと考えています。映像事業を運営していくためには、相応のシステムが必要です。映像配信システム、課金システム、広告システム。大きくはこの3つです。これらのシステムを安価でかつ安定的に稼動させていかなくてはなりません。これらをもし単独でやろうとすると、トランジットとサーバーに相応のコストがかかります。この部分を、Yahoo!が預かることで、コストダウンおよび安定配信というメリットが生まれます。また、Yahoo!には、Yahoo!ウォレットのアクティブ・ユーザーが既存で約2000万人おります。課金システムを構築するうえで、大きなアドバンテージとなります。

―広告システムについてはどうか。

私たちの大きなチャレンジであると考えています。その大前提として、「TVで視聴される動画」と「PCで視聴される動画」は<イコール>ではない、ということ。今までのGyaOは、それを<イコール>または<ニアイコール>と考えてきたわけで、そこは大きく考え方を転換しなければなりません。TVは、みんなで楽しむもの。PCは、パーソナルに楽しむもの。機能が違います。だから、それぞれで機能する広告のあり方も違ってきて当然です。すでに広告主の方々はそれを解っておりまして、TVの広告に求めるものとネットの広告に求めるものとは全然違ってきています。

―映像の力とは。

その一方で、TVやPC、端末の如何に関わらず変わらないもの―それが、「映像の力」です。先ほど私たちの使命として申し上げたステイトメントにも「映像の力」という言葉があります。私たちがこれにこだわる理由は、映像には「五感に訴える力」があるからです。映像は、人の行動や考え方に大きな影響を与える力をもっている、言い換えればそれは、世の中に新しい価値を創造する力をもっているということです。ある考え方は変えていくべき一方で、ゆるがない価値や使命を見すえて前に進んでいけば、新たな道は必ず拓けてくると考えています。

バックナンバー

2011 / 2010 / 2009 / 2008 / 2007 / 2006 / 2005 / 2004 / 2003 / 2002