株式会社 IPG

ipg

IPGのサービス、Gガイド、Gガイドモバイル、シンジケーティッドGガイド、Gガイド for Wii、G-Guide for windows

Gプレスインタビュー

2008.June | vol.62

印刷用ファイル
vol62photo

地デジによって、 テレビとPCの関係はどう変わるのか。

マイクロソフト株式会社
デジタルエンターテイメントパートナー統括本部 本部長

笠原 健司さん

2011年に地上波放送全デジタル化という転機を迎えるに先駆け、マイクロソフト株式会社は、先日、最新オペレーティングシステムWindows Vista?での地デジ放送サポートを発表した。Windows Vista のプレミアムエディションで標準搭載されているWindows Media Centerが対応することによって、PCにおける地デジ視聴が飛躍的に拡まっていくことが予想される。そして、このことは、単にテレビ視聴スタイルの変化だけにとどまらず、生活者のテレビ番組との向き合い方を変えていく可能性を持っている。PCでのテレビ視聴が日常化することで、何が起きていくのか。 Windows Vistaの地デジ対応のキーマンである、マイクロソフト株式会社 デジタルエンターテイメントパートナー統括本部本部長、笠原健司さんに、お話をうかがってみました。

―“地デジ対応Windows Vista”の背景には、2011年の地上デジタル放送への完全移行、を見据えてということがあるのでしょうか。

もちろんそういうこともありますが、むしろ、今の日本における「生活者とテレビとの関係」という視点からこのような製品が生まれたといってよいでしょう。今、小型テレビがとてもよく売れているという話を聞きます。このことは、子ども部屋や書斎、キッチンといった「セカンドルーム」において地デジTVの需要が高まっていることを示していると思います。ひと昔前までは、「テレビ=リビングでみんなで見るもの」だったため、大型化の一途をたどっていったわけですが、それと並行して個人視聴スタイルが生まれてきているということです。そうなれば、当然、PCでテレビを見るという視聴スタイルも日常化されるはずです。

―地デジへの移行とインターネットの爆発的な普及に伴ってテレビの視聴スタイルの変化という波がやってきているわけですね。

そのとおりです。テレビ視聴を取り巻く環境は、これから大きく変わっていくと思いますよ。よく言われる「放送と通信の連携」ということを中心に。そもそも、御社が提供している『Gガイド』や『Gガイドモバイル』も、そういう時代を見据えてのサービスですよね。ただ一方で、「面白いコンテンツを見たい」という視聴者のwantsは変わらないわけで、従って、テレビ番組の価値そのものは変わらないと思います。なぜなら、テレビ番組のコンテンツクオリティは圧倒的ですから。その圧倒的に高いクオリティのコンテンツを見ることさえできれば、その端末がテレビなのかPCなのかはわりとどうでもいい―もはや、そういう時代になってきていますよね。その背景には、PCのハード面での急速な進化ということがあるのも事実です。更にブロードバンドに接続されているPCであれば、インターネットの様々なサービス・コンテンツと地デジ放送コンテンツが連携できるわけです。

―とても共感します。テレビ番組はテレビだけで見るという時代ではなくなってきている。だからこそ、私たちIPGが提供している『Gガイド』も、携帯、PC等、さまざまな端末で展開しているわけです。

これから、視聴者とテレビとの間によりインタラクティブな関係が生まれることで、いろいろな変化が起きて来るでしょう。そしてそのことは、テレビ視聴スタイルを変える可能性があります。「ネットでテレビ番組を検索しその場ですぐ視聴」「テレビ番組やCMで知った情報をその場ですぐにネットで」…といったことが可能になり、テレビコンテンツとネットコンテンツがシームレスになっていきます。TV局にとって新しいビジネスモデルを築く機会も増えてくると考えられます。

―最後に、やや僭越な質問ですが、そういう「変化の時代」の中で、これから御社は、世の中に何を提供していきたいとお考えですか?

私たちは、PCやインターネット上で、プラットフォームを作り、提供しているソフトウェア会社、言いかえれば、コンテンツパートナー様の活躍の場を提供していきます。その中で、今私たちがチャレンジしようとしていることは、よりユーザの視点で事業を推進していこうということです。もちろん今までもユーザの視点でサービスを開発してきましたが、どちらかといえば技術進化という側面に注力してきました。しかし、いま私たちが注力しようとしていることは、「その技術をどういう人(企業)にどう使ってもらうことが、最も社会のイノベーションに貢献することなのか」ということです。たとえば、昨年「新しいデジタルライフとは何か」をテーマに、業界を超えてPC活用の提案をするマーケティング活動のコンソーシアム(ウィンドウズデジタルライフスタイルコンソーシアム〔WDLC〕)を作りました。そういう活動を今後も積極的に展開していきたいと思っています。

―お忙しいところ、興味深いお話をいただき、ありがとうございました。

バックナンバー

2011 / 2010 / 2009 / 2008 / 2007 / 2006 / 2005 / 2004 / 2003 / 2002