イワタ シンイチ
ロータス、マイクロソフト、アリエル・ネットワークにおいて、15年以上にわたりIT産業に従事。
2005年にルクセンブルグのSkype Communications S.a.r.l.社に入社し、2006年より日本のマーケットデベロップメント全般を統括。
2010年、スカイプジャパン株式会社設立に伴い同社代表取締役に就任し、現在に至る。慶應義塾大学理工学部卒。
ソフトウェアによるインターネット電話の誕生は、国際通話の価格破壊をよんだ。Skypeでは、世界中の加入者同士の1対1の無料通話はもちろん、相手の顔を見ながら会話ができるビデオ通話、複数によるweb会議などが、簡単な操作と無料またはきわめて手頃な料金で利用可能である。
こうしたプロダクトの登場は、人々の生活やビジネスにどんな変化をもたらすのだろうか。
スカイプジャパン株式会社 代表取締役 岩田真一さんに、お話をうかがってみました。
―googleやfacebookがそうであるように、Skypeもまた、最初は数人の技術とアイデアから生まれたツールだときいています。
2003年に創設したSkypeは、今も全世界の社員数が900人強という小さな会社です。現在はロンドンにビジネス拠点、エストニアのタリンなどに開発拠点を置いています。
Skypeが無名だった当初も、1億4000万人以上のアクティブユーザーを抱える今も、私たちのミッションは、「世界中どこにいても、誰とでも、いつでも、簡単にコミュニケーションできる環境を提供する」ことです。
「世界中どこにいても」というのは、帯域の狭い国やPC普及率の低いところにいても、という意味です。また、「誰とでも」というのはPC操作が苦手な人とも、という意味が込められています。たとえば、私の親世代は、ブロードバンドはひいているものの、実際のPC操作には慣れていない方が多いですよね。そういう相手とも、簡単にいつでもコミュニケーションできるような環境を提供することが、私たちの使命です。
―KDDIのスマートフォンに、Skypeのアプリが搭載されたのは衝撃的でした。
この数年で、私たちのミッションには新たに「どんなデバイスでも」という条件が加わっています。
ついこの間までは、端末がPCに限られていたので、どうしてもPCを使いこなせない人にはサービスを提供しづらい現実がありました。しかし、ここにきて、スマートフォンや家電など、新しい端末がたくさん開発、発売されています。
シンプルな機能ゆえ、Skypeはどんなデバイスにも繋がりやすい。環境が整った今が、私たちのミッション遂行を大きく押し上げるチャンスであると考えています。
―Skypeというと「国際電話を無料で行えるサービス」というイメージが強いですが、むしろ、「国内外を問わず通話コミュニケーションをより円滑にするツール」という理解のほうが正しいわけですね。
そうです。「より円滑に」というだけにとどまらず、「より豊かに」していくためのツールがSkypeなのです。私たちが無料通話というサービスを提供してきたのは、「無料にすれば経済的に助かるだろう」だからではなく、「無料にすればより豊かなコミュニケーションが生まれるだろう」という観点からです。動画通話やグループビデオ通話といった機能を展開している意図も、そこにあります。
豊かなコミョニケーションが生まれると何が起きるかといえば、そこには、人間の新しいアイデアが生まれます。新しいアイデアからは、新しいライフスタイルや新しいビジネスが生まれていく-大きく言えば、世界中の人間の創造力をプロモートするツールとしてのSkypeでありたい。そういう想いが、私たちにはあります。
―Twitter、facebookといった無料のコミュニケーションツールがたくさんありますが、Skypeにしかないものとは何でしょうか。
Skypeの大きなユニークポイントは、「何もしなくても、ずっと繋がっていてよい」というコミュニケーション状態を作れるという点だと思います。
たとえば、「スカイプ飲み会」をご存じでしょうか?Skypeを使って会社からでも家からでも、飲み会に参加できるというもの。実は、Skypeをそんな使い方で楽しむ方法があることを、私たちも知りませんでした。
同じ通話ツールでも、電話の場合必ず切らないといけませんが、Skypeの場合は、たとえ沈黙であってもずっと繋がっていてかまわない。このことが、今までにない人と人との新しい繋がりを生み、今後更に新しい文化やビジネスを生む可能性が大いにあると思っています。
実際、ふたつのスポーツバーをSkypeで繋いで中継し、試合観戦の新しい楽しみ方を提案するイベントの開催や、富山県南砺(なんと)市のように、専用端末を利用した高齢者ケアを実践している自治体もあります。Skypeの端末が多様化すればするほど、新たな価値もどんどん発掘されていくことを私たちは期待しています。
―本日は、お忙しいところ興味深い話をいただき、ありがとうございました。
気になるテレビ語 groovy word on TV
『新ドラ』
4月は新ドラが始まる季節。
ちなみに新ドラを観るきっかけって何ですか?出演者?それともドラマの内容?まずは左記の表をご覧ください。
9作の新ドラのうち、ドラマタイトル検索数より、主演俳優・女優検索数が高いものが6作あります。
俳優・女優の人気や番宣による露出もあると思いますが、新ドラを観始める理由として、ドラマの内容よりも「○○が出演」というきっかけが多いということではないでしょうか。
また、"BOSS""仁""ハガネの女"は、続篇ということもあり、タイトル検索数が高くなっています。さらに"BOSS"と"仁"に関してはタイトルの短さも、検索数の高い理由の一つかもしれません。
"BOSS"や"仁"のように、新ドラの中から「続篇」を勝ち取るドラマが、何作出てくるか楽しみですね。
『Gガイドモバイル』ユーザ検索ログデータより 集計期間:2011/4/1-4/30